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2006年12月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 2006年11月30日
  • 読了時間: 1分

更新日:2月15日

「のだめカンタービレ」という漫画が流行しています。テンポが良く笑いが絶えません。そして、とても斬新なものも感じます。それは何かを考えてみま した。


 最近、教育社会学者の佐藤八寿子先生の『ミッション・スクール』(中公新書)を読みました。「ミッション・スクール」のイメージの変遷を追跡した本です。それによりますと、真面目で勤勉な「立身出世青年」が、自由奔放で芸術的な「ミッション」女学生に魅力される、というモチーフが、近代日本の小説など に繰り返し現われるのだそうです。ちなみに、その女学生は都会の富裕層出身に設定されるのが一般的です。


 さて、「のだめ」です。真面目で勤勉な千秋が、自由奔放で芸術的なのだめに魅了されていくのは、典型的と言えるでしょう。しかし、千秋の方が都会の富裕層出身であることに、意外性があります。そして、それは音楽だから可能な設定なのでしょう。音楽的才能は、階層や環境を突破しうるからです。この逆転した設定に、私は、「のだめ」の斬新さを感じます。そしてそれとともに、音楽の強さを感じるのです。

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