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2008年9月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 2月16日
  • 読了時間: 1分

八月には、下鴨神社で古本市がありました。 森の中にたくさんの古書店屋台が出て、一回りするだけでも十分にくたびれます。蚊が来たり、夕立があったり、お客もお店も大変です。それでも毎年、たくさんの人で賑わって、京都の夏の風物詩になっています。三冊五百円の棚、百円均一の棚、雑誌が山積みの棚、くたびれた本ばかりの棚。棚の表情もさまざまですが、昔の大学講義録とか、研究会の会報とか、見つけようとして見つけられないものが、あちこちに埋まっています。そしてふと目を上げると、棚の向こうには小川が流れ、反対側には森が続いて、古本たちとの間には奇妙な調和が感じられます。やがて古本市の最終日には、大文字の送り火となり、京都のお盆も終わります。そして、九月が静かに近づいてきます。 九月が来ると、私は毎年、峠を越えたような気持ちになります。何かこう、夏に向っての歩みが過ぎて、年の終りへと下っていく実感です。でもそれとともに、ざわざわしていた心持ちが落ち着いてきて、いろいろなものが地に足の着いていく気もします。秋は形にならなかったものが形になる季節、ということなのでしょうか。

 

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