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2009年4月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 2月22日
  • 読了時間: 2分

伊勢神宮にお参りしてきました。春の家族旅行です。久しぶりに参拝した日は、とてもとても風が強く、森のうなる音と、澄んだ青空が印象的でした。そしてそれよりも印象的であったのは、神宮の美しさです。完成された形式 は、とても簡素で、簡潔明瞭に美的で、美によって聖なる空間を作り出すものでした。形式によって自然の中に新しい意味を作り出していく作業が感じられて、 神道はやはり特に古代的なのだと実感して帰ってきました。ここは紛れもなく世界遺産であると思いす。

 ところで、四年後の式年遷宮に向けて、宇治橋の架け替えをはじめ、さまざまな準備が進められています。お宮を参拝しますときも、社殿のお隣の空白の空間に、ついつい気が向いてしまいます。二十年に一度の遷宮は、何を示すのだろうかと考えて、あちこち歩き回ってみました。そして思いましたのは、そこには形式を継承し、内容を変えていく心性、同じ形なのに新しい素材を用い、新しい素材であっても同じ形にまとめる心性が働いているのではないか、ということです。あるいはむしろ、仏教者の鈴木大拙のように、それを日本的霊性と呼ぶべきなのかもしれません。参拝の翌日には金沢に行き、大拙の生誕地に立ち寄って、この西田幾多郎の盟友の書物を読んでみようと思うようになりました。

 

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