top of page

2010年12月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月2日
  • 読了時間: 1分

今年の京都は、夏からいきなり冬となり、戸惑っているうちに師走になった、そんな感じです。そしてなぜか、紅葉はきわめて美しく、あちこちの人出も多いように感じます。 

 さて、京都の町にいると、いつも山に囲まれていて、私は妙に安心してしまったりします。逆に言えば、山に囲まれていない風景に接すると、どうにも落ち着かず、どちらに向いていいのか、困ってしまったりするのです。もしかしたら京都の町は、まるごと劇場の舞台なのかもしれません。山の木々がお客さんで、京都の人間は出演者とスタッフ。そう考えていくと、京都人気質は演劇的ではないかとも思えてきます。京都人は、京都人を演じるのが好きなのではないか、ということです。しかしまた、五山の送り火では、山々が演劇空間となりますので、町と山とは演劇的に交流して、一年を過ごしているのかもしれません。 

 もちろん昔は、町は戦火や天災に苦しみましたし、山の中には僧兵や狼もいて、現在とは雰囲気や切迫性も違ったことでしょう。しかしそれもまた、演劇と宗教の関係など考えてみると、違和感なくつながるように、私には思えるのです。

最新記事

すべて表示
2019年12月のことば

十二月になって、さっそくばたばたしてしまいました。忙しい月の到来です。京都の朝 晩は冷え込みますが、昼間は意外なほど穏やかで、まだコートを使っていません。 とはいえ、間もなく本格的な冬の到来です。先月は平泉寺白山神社に行ってきました。...

 
 
2019年11月のことば

十一月の京都は穏やかな日差しで始まりました。暑すぎる夏の後、少しでもこんな気候 が続いてくれたらと思います。  さて、先月は久しぶりに仙台に行ってきました。東日本大震災の後、初めての訪問とな ります。短期間ですが、いろいろ考えさせられることの多い滞在でした。宿泊したのは新...

 
 
2019年10月のことば

パソコンが、壊れました。かろうじて画面の一部が見えますが、点滅してやがてブルー になります。本当に、ブルーな気持ちになります。  ということで、別のパソコンを使っているのですが、壊れた方は2006年モデル。あちこ ちがたが来つつも、よく頑張ってくれたと思います。ただ、パソコ...

 
 
​COPYRICHT(C)合同会社植村文庫 ALL RIGHTS RESERVED
bottom of page