先日、鞍馬山に行ってきました。ここは京都の北方にある山寺で、石段を登って本殿に到達しますと、もうそれだけでよくやったと思う高さです。この本殿の前で振り返りますと、比叡山山頂がとてもよく見えます。ここは、まさに山寺ネットワークの重要な要所を占めるお寺なのです。
ところで、このお寺のある鞍馬山は、本当に独特の雰囲気を持ったところで、非常に前向きな、元気の高まるお山だと思います。お寺で購入しました『ガイド ブック鞍馬山』を見てみますと、このお山の信仰は「尊天信仰」であり、「尊天」とは「人間を初め、この世に存在するものすべてを生み出している宇宙生命、宇宙エネルギー」である、と書かれています。非常に納得してお参りをし、景色にも満足して下山しました。ここの雰囲気は、昨年訪ねた山形県の山寺に似ていますし、以前登った奈良県の大峰山金剛峰寺にも似ています。山にエネルギーを見出し、山に登り、自己のエネルギーを湧き起こさせる、という感覚は、日本の宗教風土には強くあるのでしょう。そしてそれが、良くも悪くも、歴史の流れに乗っていく特技、乗りすぎてしまう特技として、日本の歴史に表れているのだと思います。