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2010年3月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月2日
  • 読了時間: 2分

三月になり、京都は意外なほど春めいてきました。こんなに暖かくなってくると、冬の寒さは一体何だったんだろうと思ったりしてしまいます。そして、冬を過ごしただけなのに、何だか一仕事終えたような気になって、遊びに行きたくなったりしてしまいます。最近、昭和史について調べることが多いのですが、その際に困るのは、当事者がどこまで情報を把握していたのか、よくわからないことです。もちろん、これは歴史を書くときにいつも困ることであり、昭和史だけの難しさではありません。ただしかし、昭和史はまだ感触の残る最近の歴史であり、ふっとわかる気になってしまうのが難しい点なのです。例えば、日本はなぜアメリカと戦争をしたのか。そのときの当事者たち、政治指導者だけでなく普通の人々も含めて、どの程度アメリカの実情を知っていたのか。あるいは、日本にはなぜソ連を評価した人たちがかなりいたのか。その人たちはどの程度実情を把握して、それもわかった上で支持していたのか、あるいは実情を無視して支持していたのか、それとも本気ではなかったのか。私はついつい、実情を当然知った上でのことだろうと考えてしまいがちになるのですが、そうではないことの方がはるかに多い気が、調べるほどにしてきました。歴史の動きは、誤解によって進んでいくのかもしれません。有力な貴族院議員が昭和の戦争中に執筆した日記に中に、海軍の発表するでたらめな大戦果を本気で信じている記述を見つけ、改めて、こういう感想を強めている次第です。

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