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2010年5月のことば

五月になって、ようやく春の暖かな日差しとなりました。なんだかホッとしています。昭和史について調べる仕事もかなり進み、終わりに近付いてきました。ただ、いつも困りますのは、資料が意外なほどないことです。昭和期は、政治的にややこしい時代でしたから、政治的にややこしい資料が重要です。しかし、そういう資料ほど、図書館などにも入っていなくて、古書店から自分で集めていくこととなります。そして部屋は、次々と本に埋もれていくのです。 

 もちろん、本の電子化作業も進んでいますし、将来的には、一冊残ってさえいれば、昭和期の稀少本もネットで流通させられることでしょう。ただ、現物を手に取って考えていると、いろいろと想像力も刺激されますし、本の装丁や紙質など、意外と気になります。となれば、使い捨てと割り切って、電子書籍で読む本と、これまで通りに手元に置いて、手に取って読む本とに分かれていくのでしょう。私の場合、やっぱり本は減りそうにありません。

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