若狭に行ってきました。福井県ではありますが、昔風に若狭国と言った方が実感のある地域です。鯖街道と呼ばれるルートで京都から北上しましたが、国境(くにざかい)越えに気が付かないほどスムーズに、日本海へと到達することができました。京都の大原から滋賀県の朽木を経て、若狭に抜けるルートです。まさに交通路となるべき地形です。
このような交通の動脈は、地域間の連携の基本なのだろうと思います。行きやすい所が交流し、相乗効果を発揮して、これまでの歴史が形作られてきたのでしょう。そして、そのような歴史を創造的に活用できれば、未来に新しい可能性が生まれやすくなるのではないでしょうか。最近、道州制の議論が行われるようになり、関西州の新設という話も、まったくないというわけではなくなっています。ただ、もしも関西州を目指すのであれば、例えば若狭地域を州内に入れるような、大胆な再線引きがあってもいいのではいかと感じました。明治の初めに都道府県を設置したときも、さまざまな試行錯誤の中で線引きは揺れ動いています。明治初期までの国単位での地域自治の方が、明治期以来の都道府県単位よりも、道州制に馴染みやすいように思われてならないのです。