京都会館でフラメンコを見ました。初めて見たのですが、迫力と多彩さ、複雑に組み立てられた展開など、見ごたえのある公演でした。そして、同じヨーロッパ の文化とはいえ、クラシック音楽とは非常に違うものを強く感じました。フラメンコというのは、近代ヨーロッパ流のコンサート会場に収まりきらないものなのではないでしょうか。お利口に客席で聴くよりも、お酒を飲みながら掛け声をかけたくなります。舞台に向かって聴くよりも、舞台の周りをぐるりと囲みたくなります。スペインなどに専用劇場があるのは、技術的な理由である以上に、そもそも近代ヨーロッパの枠組みに収まらないからでないのかと考えた次第です。
同じヨーロッパと言いましたが、本来、地中海文明は北部主導の近代ヨーロッパ文明とは別の文明です。そしてとりわけ、イスラーム、北アフリカ、地中海の 色濃いスペインは、二つの文明の接点となって、独特の文化を創り出してきました。一度も行ったことはないのですが、とても気になる地域です。