top of page

2012年3月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月18日
  • 読了時間: 2分

三月になりましたが、まだまだ冷たい空気の日が続きそうです。しかも花粉は確実に飛んでいて、ボディーブローのようにダメージを与えられているこの頃です。

 今ちょうどソフト・パワーについて書いています。外国の人のこころに働きかけて、味方にしていく競争のことです。戦争するよりも、はるかに好ましいと思いますし、情報化とグローバル化がこれだけ進むと、たしかに必要だと思います。ただし、何を用いてどのように競争するかが難点で、そうそう簡単にできるものではありません。それもあって、何を用いてどのように書くかに苦心しています。

 ただ、改めて思いますのは、しっかりした思想がなければ、人間のこころに持続的に働きかけることは難しい、ということです。世界が衝撃を受けるような出来事は、多くの人のこころを動かしますが、それを持続的なものにするためには、思想を出来事に、出来事を思想に組み立てていかねばなりません。そしてそれを発信していかねばなりません。しかもそのためには、歴史を踏まえつつ、歴史を読み解いていく作業が不可欠です。歴史の裏打ちや展望がないと、深みがなくなって浅くなってしまうからです。何だか思想史は重要だ、という自家宣伝のようになってきましたが、本当に、そう思って頭をひねっています。

​COPYRICHT(C)合同会社植村文庫 ALL RIGHTS RESERVED
bottom of page