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2013年2月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月30日
  • 読了時間: 1分

今年は寒い冬ですが、今週は小康状態のようです。京都は冷蔵庫の中の冷たさでしたが、少しは歩く気になる温度となっています。 一月は、初めてのテレビ収録がありました。スタジオの中にぽつんとセットがあり、何台ものカメラがそこに向いている。とても不思議な空間です。かなり長い時間しゃべったのですが、ぽっかりした空間に語りかけているような心持ちがしました。映像が記録されていることは、カメラの方をながめるとわかるのですが、それでもひたすら空振りしている感覚で、何かが本当に残ったのだろうかと、正直不安になりました。 ところが映像になったものを見てみると、対話の雰囲気も含めて、しっかりと現実感のあるものに組み上げられていました。空振りの感覚なのにボールは遠くに飛んでいた。そんな印象です。それはもちろん、スタッフさんたちの熟練の技のおかげですが、テレビというものの魔術性にも思えます。蜃気楼なのか、それとも忽然と現われ去っていく移動サーカス団のようなものなのか。いまだに印象を整理しきれていないこの頃です。

 

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