2013年5月のことば
- uemurabunko
- 3月30日
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五月とはいえ肌寒い日もあり、どの服を着て出かければいいのかわからない昨今です。昨年度、「ともくんとおんぷくん」という絵本を植村文庫から出版しました。村上さんの素敵な絵によって、心の澄み通る本となっています。
そこでも不思議に思っていたのですが、音とは、何なのでしょうか。音楽と建築は通じ合う、建築とは凍れる音楽であるとは、ヨーロッパの昔の人が言ったことです。実際、キリスト教の壮麗な教会を見ていますと、なんだかそんな気もしてきます。しかも、日本のお寺を見ましても、時に荘厳な音色を感じさせられる場合もあります。もちろん、イメージがつながっただけかもしれませんが、人間の精神の働きがどちらにも具現化しているように思うのです。
音楽は耳で形を聞くものではないでしょうか。ふと耳を澄まして、音を認識するとき、音は形を成しています。そして言葉も、形を成しています。その形は送り手と受け手の精神が通じれば、形として見えてきます。音楽と建築だけでなく、音楽と建築と学問も通じ合う。そういうことを春の陽の中で考えています。