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2013年6月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月30日
  • 読了時間: 1分

5月には、とてもオリジナルな場所でのクラシック・コンサートを聴く機会がありました。一つは、「平野の家 わざ永々棟」。もう一つは、京都芸術センターです。 わざ永々棟は北野天満宮のすぐ近く、閑静な住宅街にあります。大正時代の建物ですが、優れた技術で修復され、他にない空間を作り出されています。ここでコンサートを聴きますと、音楽と建築が対話し、通じ合うような不思議なつながりを感じます。そしてもう一つは、京都芸術センター。ここは、旧明倫小学校です。明治初年の開校ですが、すでに閉校となっています。しかし、昭和初年の建物は残り、祇園祭のにぎやかさの中で今も活用されています。その特徴は豪華さです。惜しみなく学区の人が出資され、本物のすばらしさの中で子どもたちが学べるようにされていました。コンサートの際には、それが楽しさと安らぎを感じさせてくれます。 こういった豪華さは、誇示や浪費とは違います。優れたものを継承し、次世代に伝える。そのために本物を惜しみなく使う、ということです。そして、コンサートの聴衆として、その空間を使わせて頂くと、大変満ち足りた気持ちになります。まさにぜいたくな時間。今思い出しても楽しくなります。

 

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