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2013年7月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月30日
  • 読了時間: 2分

「新聞」というのは、どうなっていくんでしょうか。新しいニュースを読もうとしても、すでにインターネットなどで知っている話がほとんどです。新しく聞くことではないのです。速報性に関しては、新聞はもはや遅れをとっていると言わざるをえません。 それでは専門性ではどうでしょう。良い特集はたしかにあるのですが、スペースの都合上、短く終わってしまう気がします。世の中はますます複雑になっていて、そう簡単に評価や分析もできません。もちろん、スペースの制約は昔からのものですし、問題への入り口という役割は果たしうるように思います。でも昔と比べると、新聞の必要性はずいぶんと下がったという実感が否めません。 電車に乗って周囲を見わたすと、最近はほとんどの人がスマートホンの画面を読んでいます。文庫本や新聞を読んでいるのは、少数派となりました。そしておそらく、スマートホンを見る人たちは、あちこちの画面を渡り歩いているのでしょう。しかし実は、この渡り歩きこそが、本に対する新聞の比較優位だったはずなのです。 新聞一つ持っておけば、本にすれば何冊分もの情報が手に入る。ただし、入り口だけではあるが・・・。この役柄をインターネットに取られてしまったこと。新聞が今後メジャーな役割を担っていけるかどうかは、役柄を取り返せるか、それとも新しい役柄を作っていけるか、にかかっていると思います。

 

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