top of page

2014年9・10月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月31日
  • 読了時間: 2分

秋になってばたばたが重なり、すっかり2ヶ月の言葉になってしまいました。京都は9月に肌寒く、10月に暑く感じる不思議な状況です。

 さて、9月の中旬に二条城でのオペラ・コンサートに行って来ました。イタリアからボローニャ歌劇団を招き、日本とイタリアの合作でプッチーニの「蝶々夫人」が上演されたのです。当日は天気も穏やかに、涼やかな夜となり、まさに屋外でのオペラ鑑賞に最適の気候となりました。

 このオペラ、二条城との相性はどうだろうかと思っていましたら、暗闇の中に浮かぶ建物と白い壁が違和感なく舞台に調和し、またとないオリジナルな組み合わせとなって強い感銘を受けました。本当に、こんなに合うものなのかと思うくらいです。おそらく、蝶々夫人のストーリーが表現する凛々しさと不安が、黒々とした武家の建物と響きあい、純粋さが建築の線の素朴さと一致して、くっきりとした悲劇を浮かび上がらせてくれたからでしょう。二条城は武家の建築ですから、京都らしいものとは言いがたいですが、それでもやはり、プッチーニの音楽たちの素晴らしさとともに、良いものは良いと確認してきた次第です。

 この催しには、多くのボランティアの人たちが設営などに参加されたと聞いています。当日も、大学生らしい人たちが多数、受付や案内で活躍されていました。京都は大学のまちでもありますから、学生時代にスケールの大きな催しに参加することができれば、貴重な経験と思い出になるでしょう。なんだかうらやましくなってきました。

​COPYRICHT(C)合同会社植村文庫 ALL RIGHTS RESERVED
bottom of page