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2015年2月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 4月1日
  • 読了時間: 2分

2月の始まりも、雪とともにやってきました。寒い冬です。さて、最近、本の意味をどのように伝えたらいいのか、考え込んでいます。電車に乗って見回しても、ほとんどの人は携帯をいじっていて、本を読んでいる人の姿はちらほらです。こう書いている私にしても、パソコンの前に座る時間が増えるほどに、本を読む時間が減っています。もちろん、今では多くの情報がインターネット上にあふれ、必要に応じて検索すれば済むことも多いです。しかし、それで足りないのは思考力の訓練なのではないかと思います。


 


 ネットは見るものです。読むほどのものではありません。頭の奥深くに入れて、ずっと考え続けるものというよりも、むしろ、ぱっと見てさっと忘れる方が適切でしょう。そうしないと、頭が本当にくたびれてしまいます。でもそれは、深読みの訓練をしていない、ということでもあります。情報は精査し解釈しないと意味を明らかにしてくれないのですが、ネット情報は文字通りに、意味不明のまま流れ去っていくものが大半です。


 


 それでは本さえ読めばいいのか。そんなこともないでしょう。ネットがなかった頃の人たちも、深読みしない場合が多くありました。深読みしようと望まなければ、何であれ見るだけに終わるでしょう。ただ、世界がここまで複雑に絡み合ってきた以上は、深読みしないと役に立つ情報は見つけ出せない。そういう気がするのです。

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