2015年8月のことば
- uemurabunko
- 4月1日
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7月が過ぎ8月早々、京都も猛暑日です。京都で生まれ育ちましたが、本当に、昔ならありえない猛暑です。気象庁の計測でさえ38度超え、街中のアスファルトの上は軽く40度を超えているのでしょう。日々、慎重に暮らす必要があります。
ところで現在、ドイツ語の共著の校正をしています。ずいぶん久しぶりにドイツ語に取り組んだのですが、やはり、たくさんの発見がありました。まずもって、日本の思想史を説明するのに、際立って日本色の強いものは翻訳しにくい、という当たり前のことを再確認しました。ドイツの影響を強く受けた日本の思想家の説明は、仏教の影響を強く受けた思想家の説明よりも、やりやすいのです。本当に当たり前ことですし、自分のドイツ語能力の問題なのですが、文化横断的な相互理解の課題を最確認した次第です。 そしてそこで改めて、鈴木大拙という昔の思想家が、日本仏教の思想を英語で発信し続けたことは、まさに偉業であった、と痛感しました。遠い両岸に橋をかけて、人々の行き来の流れを作り出してくれた人です。この人のことを今もう一度、きちんと理解しなおす必要があるのではないかと考えています。