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2016年7月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 4月13日
  • 読了時間: 2分

梅雨らしい気候の末に、7月の初めは夏のようになりました。あまりにも湿気が多く、さすがにくたびれていた状況では、すごく暑いのも朗報です。


 さて、先月の下旬に学会研究大会の運営を担当しました。全国から多くの専門家が集まり、活発な議論が行なわれて、とても実質のある催しとなりました。特に、イギリスのEU離脱の国民投票結果が出たばかりでしたので、内容的にもとても関連の深い部会は大賑わいでした。専門家にとってきわめて興味深い展開であり、そして同時代に生きる人間として、とても不安になる展開です。この動きは、ややこしいのです。


 ややこしいと言う意味は、世界がよりややこしくなることと、イギリス国内がよりややこしくなることの2つです。もしも国民投票の結果が、圧倒的ならばともかく、わずかの差で離脱ということですから、納得できない人が非常に多いでしょう。気持ちが収まらず、逆転を今後も目指すはずです。むしろこちらの方が、つまりイギリス国内の政治的不安定化の方が、世界を不安に導くと思います。


 このような問題についての専門家の分析が、正確に、広く多くの人に届く方法は何なのか。大会運営に携わりながら考えさせられました。しかし、ここに難しさがあります。じっくり聞かないと、わかるような問題ではありませんが、誰もが忙しい時代の中で、聞く暇がなかなか取れない、ということです。結局、忙しすぎることが難点なのだろう、と改めて考えさせられた次第です。

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