top of page

2016年8月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 4月13日
  • 読了時間: 1分

京都の8月はとてつもない猛暑です。すっかり、へたばってしまいました。さて、先日、祇園祭に行きましたかと聞かれて、そう言えば近年、厄除けのちまきは買うものの、ゆっくりは行ってないことに気づきました。山や鉾は本当に美しく、夜は幻想的で、京都に住んでいるのに何とももったいない次第です。


 それとの関連で、京都の人は遊ぶために働いているのか、働く息抜きに遊んでいるのかとも聞かれました。たしかに、山や鉾を出されるお町内の7月は、祇園祭一色ですし、もちろん、それ以外でもお祭りのために尽力されています。時間も労力も費用もぼう大に投入されていることを考えると、このために働く一年と外から見れば感じられます。


 お祭りは不思議です。折口信夫という民俗学者は、年中行事を「生活の古典」と呼び、われわれの生活にうるおいを与えるものだと説きました。祇園祭は世界的な行事ですが、担われる方々からすれば、我が家の年中行事の一つとして、取り組んでおられるのかもしれません。そしてその恩恵は、世界各地から訪ねてくる人たちに、生活のうるおいとして無償でおすそ分けされていきます。やはり来年は、祇園祭にゆっくり行かせて頂こうと思います。

​COPYRICHT(C)合同会社植村文庫 ALL RIGHTS RESERVED
bottom of page