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2018年5月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 4月29日
  • 読了時間: 1分

5月になったばかりですが、もう初夏の暑さまで来ています。先月、山田耕筰の「からたちの花」の碑を見に行ってきました。東京の日本キリスト教団巣鴨教会の敷地にあります。


 「からたちの花」は、北原白秋作詞、山田耕筰作曲です。「からたちの花が咲いたよ」から「からたちのそばで泣いたよ」へと歌詞が変わっていきますが、山田少年が本当に泣いていたそうです。貧しくて働かねばならず、とげだらけのからたちの垣根でつらくて泣いた思い出が、含みのある歌詞となって、ほんわりとした歌を作っています。思い出が強く出過ぎれば、意味を考えてしまいそうですが、具体的に語らない歌詞が、何かあるんだろうという程度の、適度な距離感を保たせてくれます。


 教会が山田母子の生活を支援しなければ、この歌もなかったことでしょう。また、白秋の言葉への感覚がなければ、透明感のある歌にもならなかったでしょう。歴史に不思議さを感じることは、意外なほど、よくあります。

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