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2018年6月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 4月29日
  • 読了時間: 1分

5月は、奈良に行ってきました。近鉄奈良駅からのバスは超満員で、本当に身動きがとれません。しかし、大仏殿を過ぎると人は減り、破石町のバス停を降りると落ち着いた町並みになります。この辺りには、入江泰吉記念奈良市写真美術館や新薬師寺、志賀直哉旧居などがあります。


 写真美術館は、想像よりはるかに立派な建物で、奈良を愛した入江泰吉の写真などが展示されています。訪問してわかったのは、写真は絵のように鑑賞することができる、ということです。入江の写真はとりわけ、絵のような写真ですし、考えれば不思議ではないのですが、考えずに写真の前に立ってそう感じました。表情豊かで、見ていて飽きません。風景にもお寺にも、しみじみとした情感が肌身に伝わってくる感じです。


 志賀直哉の旧居は、ゆったりしたお屋敷並びにあります。広々とした芝生に向かうサロンは、日光をふんだんに採り入れ、とても明るい生活感情を追体験させてくれる空間です。この健全な明るさは、あるいは、志賀の作品に対する好みにも関わるのかもしれません。志賀が自ら設計したこの邸宅全体に、志賀の力強い精神力がみなぎっていて、鬱屈をねじ伏せるような雄勁さがあります。

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