2021年9月のことば
- uemurabunko
- 6月2日
- 読了時間: 2分
みなさんこんにちは、かめいしわたるです。今年の夏は
意外にも短く、湿気に満ちた日々でしたね。9月に入った途
端、蝉の声もやみ、夜は虫の声が涼風に乗って聞こえてくる
ようになりました。
さて、皆さんはお盆に帰省されましたか?コロナの影響
で判断が難しいとは思いますが、私は祖父母のいる岡山へ数
日行ってきました。中国地方の雰囲気はおおらかで、都会の
喧騒を忘れることができ、良いリフレッシュにもなりまし
た。また、この数日間を通して、お盆に対する感じ方が以前
と変わった事に驚きました。これまで、お盆といえば、親戚
が集まる日くらいに感じ、特に意味も分からずにいました
が、今年はお盆がより身近に、大切なものに感じました。う
まく言葉で表現できませんが、自分のルーツでもあり、親や
祖父母の記憶でもあり、先祖の今に残る形でもあるお盆とい
う行事が、自分の中に抵抗なくすっと入ってきたような感覚
です。何故でしょうね。コロナで人と接する機会も減り、
様々な制約がある中でも、お盆を通して、自分は生きている
というという実感を得ることができたからかもしれません。
はじめて、そういう気持ちになりました。こんなときだから
こそ、お盆のように先祖を想う行事が必要で、これからも続
けていかなくてはいけないと思いました。はやく、制約なく
親類皆が集える日がくるといいですね。
気づけばもう秋になり、今年も終わりへと向かってい
ます。残された2021年の日々を、大切に過ごしていきたい
と思います。今月は、新古今和歌集から挽歌を選びました。
それでは、また来月お会いしましょう。
亡き人の かたみの雲や しぐるらん
夕べの雨に 色は見えねど
(新古今和歌集より 太上天皇)