top of page

2020年5月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 5月2日
  • 読了時間: 2分

皆さま、お久しぶりです、かめいしです。はやくも五月となり、新緑の似合う気候となってきましたね。もう半袖で過ごしてもおかしくない暖かさです。外出欲に駆られ、コロナの自粛疲れを感じる人も多いことでしょう。何を隠そうこのかめいしもそのひとり。どこか遠くへ行きたい、友達と会っておしゃべりしたい、と日々募る思いを、祖母から届いた大きめの手作りマスクで封じ込めております。

 さて、巷ではなにやらズームというものが流行っているようで、これが大人数の授業や会議、友達との雑談もオンラインでできてしまうという優れもの。私の身近にもその波はおしよせておりまして、実際何度か使ってみました。画面の向こうにはいつもと変わらぬ友の顔。しかしどうも、ぎこちなく感じます。現実で会って会話する時には感じることのない、必要以上に見られているオーラを感じるのです。これはうかつに変なことはできないな、と全身に緊張が走ります。オンライン会話が終ったときにはもう疲労困憊です。はたしてこうまでして友達と会話したいのだろうか、と意味の無い自問自答を繰り返す毎日です。

 そんな中、ネットで面白い動画を見つけました。どこかヨーロッパの国でしょうか、外出禁止に苦しむ近所の人たちが、長い棒の先にシャンパングラスをくくりつけ、ベランダ越しに皆で乾杯をするというもの。微笑ましく感じます。やはり人間は孤独には生きられない生き物なのでしょう。いくら孤独を愛しても、孤独に愛されることはないように思います。様々な人と交流できている日常がありがたいですね。日本で外出禁止となる可能性は低いでしょうが、万が一に備えて、私もグラスと長い棒を数本調達してこようと思います。それでは皆さんも、自粛生活頑張りましょう。手洗いうがいもお忘れ無く!

 

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の

        衣ほしたり 天の香具山

         

        (万葉集 巻1より 持統天皇)

 

最新記事

すべて表示
2021年1月のことば

あけましておめでとうございます。    過酷な冬の予感に反して、ずいぶんと穏やかな時間が流れている京都の元旦です。年末の私は料理に夢中になっておりました。クリスマスにはブッシュドノエル、はちみつ生姜、 金柑の甘露煮など甘いものが中心でしたが、確実に上達してきていると感じてい...

 
 
​COPYRICHT(C)合同会社植村文庫 ALL RIGHTS RESERVED
bottom of page