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2011年10月のことば

  • 執筆者の写真: uemurabunko
    uemurabunko
  • 3月3日
  • 読了時間: 2分

9月に中国に行ってきました。十年ぶりの訪問ですが、エネルギッシュな雰囲気と、人と車の多さに驚いて帰ってきました。例えば交差点。天津の町は大都会なのに、大きな交差点が人と車のごちゃ混ぜ状態です。信号はありますが、車は左折右折自由で、斜め切り通行もします。対角線の角にあるホテルの駐車スペースに、タクシーが斜めにどーんと突っ込んでいったりするのです。そして、人と自転車と荷車とバイクが、車に混ざりあい、大通りの交差点のど真ん中、車の波の間に、人間の一団が取り残されたりしています。素人には渡るのが難しい交差点です。

 宿泊したホテルの部屋からは、大きな交差点が見えていました。勝手に随時スクランブル化している交差点を見ていると、赤信号で直進停止する車以外は、基本的に攻めの姿勢ということもわかりました。しかし、道路を横断しない滞在、というわけにもいきません。あれこれ経験を積むうちに、むやみに攻めているように見えて、実は独自の秩序が成立していることに気付きました。車が随時適当にレーンを変えて、臨機応変に走ってくれるのです。ですから、一人だけ慌てて走ったりするのはむしろ危険で、みんなと一緒にゆったりと、周囲が対処しやすいように進みます。日本なら規則を増やし、規則を守り、形式で秩序を作るのでしょうが、中国では臨機応変に、大まかに、実質的に秩序を作っているように感じました。

 とはいえ短い滞在中に、あちこちで事故を見ました。私も結局、上手には渡れないままでした。車がどんどん増える中で、この秩序もそろそろ限界なのではないでしょうか。車の少なかった昔はともかく、今後は、細かな形式を積み重ねないと、地元の人でも道を渡れなくなってしまうように思えてなりません。慣れない人間にはお勧めできない試練です。

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